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自転車。パーツ。カオス

ワンスピード オフロード ドライブトレーン スピュー

Singleatorには詳しい説明書を付けているってのに、取り付け方がわからない人や、途中で手に負えなくなる人が結構いる。なんといっても、ほとんどの人が初心者でワンスピードのドライブトレーンの特徴とか組み上げ方、メンテナンス方法をわかっていないのが問題だ。心配いらないよ。見捨てたりしないから。でも、ワンスピードがシンプルで純粋で美しくて素晴らしいからといって、適当にやっつけて、これでよし、ってことじゃあ、期待通りの走りはあきらめるしかない。君たちに知識を与え、お手上げ状態になったお客さんからの問い合わせを減らすために、ワンスピードドライブトレーンの基礎知識とセットアップ方法、Singleators を買ってくれたにも関わらず、うまく使えない場合の対処法を教えよう。

1. マイクロドライブ バーサスマクロドライブ。「マイクロドライブ」コンセプトはシングルスピードには全く使えない。「マイクロドライブ」という呼び名は元々親愛なる、今は亡き Maeda Corporation (Suntour) が作った商標で、比較的小さなチェーンリングとコグを使って、それ以前はもっと大きなチェーンリングとコグでなければ実現できなかったギアレシオとギアレンジを達成したシステムのことを言っていた。「マイクロドライブ」はその時、Suntour の連中がコグサイズの限界を広げて、11t のファーストポジションコグのカセットを作って可能にしたんだ。新しいアイディアじゃないけど、高品質の熱処理済みスチールでこのデザインが実現できて、ある程度成功した。マッチした小型軽量のコグとチェーンリングと、短くなったディレイラーケージとチェーンで、重量を重視する人は小躍りしたし、そのシステムは確かにそれ以外の人にもまぁ使えたんだ。Shimanoがコピーして、その続きは有名な話。今のマルチスピード MTB トランスミッションにこんにちは、と言おう。なぜそれが使えて、今でも使えるかと言うと、高いギア用のより小さいコグをそれほど使わなくてもいいからだ。良く考えてみると、俺たちのほとんどは 11~12歯のコグをそれほど使い込まなかったし、今も使わないから、そんなに早く摩耗もしなかった。さらに、そういったコグに使った時間はフルボアのハイスロットルより少なくなかった。立ち上がるために必要なひと漕ぎがそんなに大変なら、もっと簡単にできるギアにシフトすりゃいい。22x11t クロスギアでオフロードを走りまわるなら、コンポーネントの新旧に関わらず、大した苦労もなくチェーンを歯の上に吹き飛ばすことができるんじゃないの。それに気付かないとしたら、どんな時にもコグの歯のざっと半分程度だけしか、チェーンに噛んでないということだ。11 歯のコグの場合、常に 5~6 歯しか噛んでない。君のふとももが Surly のカーペンターペンシルと同じくらいの大きさでないかぎり、16 歯のコグとそう違わない、おそらくワンスピードに使う最小のリアコグである、11 歯のコグを使って随意に一般的なワンスピードオフロードライディングに必要なローギアトランスミッションを歯飛びさせることができるだろう。シフトしないことを考えれば、アタックすると決めた最も厳しい垂直の登りを制覇するため、8 歯に怒りをぶつけることになる。このごちゃごちゃした説明で何を言いたいかというと、オフロードのワンスピードドライブトレーンにはもっと歯があったほうがいいと言うことだ。歯が一本でも多いと、チェーンの歯飛びを防ぐには凄く効果があるということだ。摩耗寿命についても、歯は多い方が寿命が伸びるんだ。そのギアから変えない訳だから、1 マイル走るたびに同じ歯を使うことになる。より大きなコグとチェーンリングを使ったら、ドライブトレーンの寿命が伸びるし、歯飛びも少なくなって、チェーンを送り出す回数も減ることになる。大きなコグのアウトバック (18 歯以上) を選んで、チェーンリングサイズを変えて実験してみて、前もって好みのギアレシオを見つけることをお勧めする。ここで重量で不利になることは実質的にはない。ワンスピードオフロードバイクで「マイクロドライブ」ドライブトレーンを使う利点は無いんだな。やっちゃだめだ!愚かなことだし、急な登りで怪我するよ。もし Singleator を使ってるなら:上に書いたこと全てを心に留めたとしたら、Singleator は「引き下げ」姿勢の逆の「押し上げ」姿勢で走った方がいいと思わないか?結局、チェーンをフリーホイールの方へ押し上げると、そのギアレシオでフリーホイールに噛みあう歯の数が増えるよね。残念ながら、チェーンステイが干渉するのでいつもそうとは限らないけど、理論的にはそうだよな。同様に、明らかに Singleator は実際にチェーンをフリーホイールから離すようにチェーンを引っ張るので、チェーンに噛みあう歯の数は「引き下げ」姿勢で最小になるだろう。指示に従ってくれ!できるだけ多くのリンクを外すんだ。ディレイラーと違って、Singleator にはプーリーはひとつしかなくて、絶対必要な分以上のチェーンの緩みを引き締めるように設計されてないんだ。それでドライブトレーンを「マイクロドライブ」する状況になったら、「引き下げ」姿勢では、特定の用途、体重、ライディングスタイル用に充分な数の歯をチェーンに噛み合わせることが決してできない場合がある。できるだけ多くのリンクを外す状況になった場合に、まだ Singleator がフリーホイールからチェーンを遠くまで引っ張って歯飛びが起きるようなら (「最悪のシナリオ」)、ギアを変えるんだ。もっと大きなコグを手に入れろ。もっと大きなチェーンリングを手に入れろ。チェーンリングの歯をひとつ小さくして、もうひとつチェーンのコマを詰めろ。再配置するんだ。できるよ。最悪のシナリオは滅多に起こらないけど、ここに書いておかなきゃいけない程度には起こるので、誰かの役に立てばいいなと思うんだ。君がチェーンをぶち切るような登りによじ登る前に、この話を終えよう。

2. チェーンライン。チェーンラインとは、フロントのチェーンリングとリアコグのアライメントのことを言うんだ。チェーンラインは自転車の全駆動系で重要だけれども、特に一速で重要だ。完璧なチェーンラインとは、チェーンリングとリアコグがお互いに完璧に一致していて、チェーンがチェーンリングからコグへと完全な直線であることだ。ワンスピードに近くないものは、ドライブトレーンの早期摩耗と頻繫なチェーンのローンチが結果として生じることになる。チェーンラインは以下の方法で微調整できる。ハブのスペースの調整、フリーホイールスペーサーまたはカセットスペーサーの追加または削除、クランクの変更、B.B. スピンドル長さまたはシム用ボトムブラケットの変更、クランクスパイダーとチェーンリングの間のスペーサーを使用など。他にも、リングとコグを美しく並べるために考えられるあらゆること。ドライブトレーンも速くなる。もし Singleator を使ってるなら:調整可能なプーリーがチェーンラインに完璧に一直線であるようにします。少しでも外れていると、ノイズが生じ、プーリーはすぐに摩耗します。外れている場合は、Singleatorâ„¢ および/または変速機ハンガーを自転車から取り外します。正しく設定して楽しんで!

3. チェーンの張力調整 - 正しいやり方。チェーンをあまりきつく張ると早く摩耗が進むし、フリーホイールやカセットボディの側面に負荷がかかって、内部の歯止めの歯飛びの原因になって、漕ぐのに余計に力が要るようになる。チェーンが緩すぎると下り坂で外れたり、急な上り坂でコグの頂点やチェーンリングで歯飛びが起きたりする。チェーンの張力を正しく設定すると、ある点でチェーンが締まっていて、他では緩んでいることに気付くと思う。これが正常な状態なんだ。チェーンリング、フリーホイール、カセットボディ、クランクアームは使用時にある程度曲げたり、巻き付けたり、変形させたりするけど、一般的にはそもそも完全な丸ではない。チェーンを充分張るように調整してたいので、フリーホイールを後方に回して一番張ってるスポットでクランクをほぼ止めるようにしようと思う。上手く説明するのが難しいんだけど、チェーンが緩すぎて下り坂でチェーンがどさっと落ちるとか、チェーンを貼り過ぎて後方に漕いだ時に抵抗を感じるとか、そういうことなくその中間の状態に張力を保っていられれば、チェーンの張力に関しては壊滅的な問題は起こらないだろうとは言える。ボルトオンハブを使ってるなら、アクセルナッツやボルトにグリースを塗ると、張力の調整中にホイールが思わず動いたりすることが減るよ。左右のボルトを同時に少し締めるのも効く。頑張ってね。 もし Singleator を使ってるなら:Singleator をバーチカルドロップアウトの自転車に付けてるなら、その唯一の目的はチェーンを適切に張って、しかるべきコグに保持することだ。「押し上げ」姿勢であれ「引き下げ」姿勢であれ選んだら、説明書をよく読んで正しいスプリングを取り付けたか確認し、クランクを回すんだ!恥ずかしがらずにね。スプリングの取り付けやクランクの回し方が悪いと、Singleator を傷めちゃうので気を付けてくれ。もちろんスプリングには限界があって、Singleator で専用のホリゾンタルドロップのシングルスピードと同じチェーンのテンションを得ることはほとんど無理なんだけど、でも Singleator でも充分安全にチェーンを張ることは間違いなくできる。

4. 1/2x1/8 インチチェーン対1/2x3/32 インチチェーン1/2x1/8 インチチェーンの負け。使いたいものを使えばいい、でも大きけりゃいいってもんでもないよ。そう、1/2x1/8” チェーンは幅は広いんだけど、メーカーのデータによると、強度が増してる訳じゃないし、あきらかに品質がより優れているというわけでもない。マルチスピードのドライブトレーンにはお金をかかっているし、そうしたドライブトレーンで使うチェーンはチェーンメーカーの技術力と品質改善の見せ所になってる。マルチスピード 3/32 インチチェーンではローラーは良くなってるし、プレートも良くなってるし、ピンも強くなってて、組み立て方法 (リベット打ち手順) も良くなってる。多分、毎晩地元のパブでハンドレールの下のチェーンリングとチェーンを削ったら、大きな 1/2x1/8 インチチェーンも長持ちするだろうと思うんだが、まぁほとんど誰もやらないし、やろうともしないだろう。もし旧式の Singleator を使ってるなら:ダメダメ、1/2x1/8 インチチェーンは使うなよ!でないと Singleator が自転車からすっ飛んじゃうぞ。他の部品と一緒にだ。請け合うよ。 設計し直した Singleator ではそんなことはない。旧型バージョンではジョッキーホイールの上にループを使って、チェーンを保持していたんだ。このループは 1/8 インチチェーンに対応してるんだが、これは 3/32 インチチェーンより広いんだ。今の Singleator はジョッキーホイールの両側のガイドプレートを使って、チェーンを保持してるんだけど、ホイールの配置に応じて、3/32 インチチェーンにも 1/8 インチチェーンにも対応している。俺たちは今でも細いチェーンが好きだけど、君が絶対 1/8 インチを使わなくてはならないなら、新しいデザインがきっと気に入るはずだ。

5. シフト強化コグ対ノーマルコグシフト強化コグと言えばShimano Hyperglide とか Interglide コグが知られてるけど、これはリアコグについて言っていて、機械加工、打ち抜き、プレス加工、その他いろいろ加工し、チェーンの出入りが簡単で、明確でスムーズなシフトができるようにした、5 速から 9 速の一群のコグのことだ。マルチスピードバイクでなかなか良く機能していて、ワンスピードでも同じように使える。でもシングルでは使わない方がいいよ。パワーをダウンさせると、シフトは問題ないんだが、君が歯医者に行く羽目になる。専用のワンスピード用ハブを手に入れて、スレッド付き BMX フリーホイールを使うか、またはマルチスピードカセットハブにシングルスピード専用のコグを使うんだ。 Surly ではいくつか用意してる。厚くてたわみの無い、かっこいい出口ランプのスタンプを押してないのをね。 6.おい、部品は頻繁に交換するんだぞ。変えなきゃいけないんだからな。普通の奴はマルチスピード自転車に乗る時、ほとんどの時間を 5~6 種類のギアで (27 もあるのに!) 過ごしてる。君は一つのギアで全時間を過ごしている。そして君はドライブトレーンの部品に無理なことをさせている。そんな風に設計してないのに、だ。君の部品の寿命は普通の奴の 1/5 か 1/6 位だろう。なんで 3 ヶ月もしたらフリーホイールが歯飛びを始めるのか、不思議に思ったことはないかい?まず、ちゃんと密閉されてなくて、つめに異物が入ったり、歯を噛ませるのに必要な動きが妨げられてることが考えられる。さらに、フリーホイールがねじれていてトルクがちゃんと伝わってなくて、フリーホイール内部のつめが歯を規則正しく、きちんと捉えられてないのかも。使い込んで古くなったフリーホイールを持ちあげて、真ん中を持って外側を回してみて。分かるだろ?BMX フリーホイールやマウンテンバイクのカセットボディでも、 ワンスピードがドライブトレーンに課すような、連続したトルクでの酷使を想定した設計はしてないんだぜ。最近ではフリーホイールと SS ハブには幾つか素敵なオプションがある。 7. おい、新しい部品は一緒に使うんだぞ!マルチスピードのドライブトレーンのように、使い古したコグとリングは新品のチェーンを嫌うし、その逆も同じだ。ドライブトレーンで新品部品と使い古した部品を両方使うと、特にコグとチェーンの場合では、都会的で豪華なクルーザーでやるといいと思う。そうでなければ、コグ、チェーン、フリーホイールはいっぺんに交換するのがベストだよ。チェーンを交換すると、コグとリングがずっと長持ちするんだけど、特にシングルスピードの場合、ハイテク自転車に乗ってほとんど止まってしまうような長い急坂を登ってた場合には、各部品はもう限界一杯まで働かされるんだよ。信じられない?よく似た体重と力の友達に頼んでみなよ。マルチスピードに新しいチェーンを張って、25 回激しく乗って、ピンの中心と、15 リンク程離れたピンの中心の伸びを測ってみてくれ。どのリンクも、本来ならピンセンター間の長さは 1/2 インチのはずだ。凄く伸びてるだろ?しかもこんなに早くに。同じことをシングルスピードでもやってみて。新しいチェーンで 25 回激しいオフロードライディングを。どれだけチェーンが伸びてるか、信じられないだろ?コグ、チェーン、リングを同時に交換すると、歯とチェーンの摩耗が一緒に進むので、噛み合いが良くて強固で、負荷のかかった状態での歯飛びが起きないことが確認できるだろう。新品と使い古しの部品が混ざってると、新品同士の摩耗パターンが得られなくて、歯とチェーンの噛み合いが上手く行かない。負荷のかかった状態で、ファンキーなカチカチ、ポコポコした音がして、歯飛びが起こる。長年の経験からの知恵なんだけど、

8. フレームの柔軟性。君のワンスピードバイクは多分、少なくともそれなりに軽くなるよう設計されている。Surly の奴らでさえ、 30 ポンドのバイクで上り坂での走りを楽しめない。つまり君の軽量フレームには、薄くて軽いチェーンと 16~20 インチ長のシートステイが付いている、ということだ。ペダルを漕ぐたびに、ボトムブラケットが前後に揺れて、長くて細いステイが、自転車の進む方向に引っ張られている。君が体を上下させるので、マシンはひねられる。特にキツイ登りで。ある程度までは、この柔軟性は望ましくて乗り心地もいいんだけど、ドライブトレーンシステムのどんなたわみも狂いが生じて、君の胴回りのサイズやチェーンローンチングに応じて、歯飛びや摩耗が早まったりする。これは無視できない要因だよな。ドライブトレーンの柔軟性から来る狂いに対処する最良の方法は、それ以外の要因に問題が無いことを確認することだ。確かに 3.5 ポンドの CroMoly フレームはワンスピードには最高の選択じゃないんだが、付けちゃってたとしても、君の体重が 150 ポンド以下だったらいいなと思う。そうでなくても、チェーンラインが完璧で、リアコグが大きくて、充分低いギアで、ドライブトレーンの状態が良くて、全部品が一緒に摩耗してて、チェーンの張りと潤滑油塗布が適切なのを確認すれば、フレームの柔軟性が生み出すドライブトレーンの歯飛びやチェーンローンチング、早期の摩耗といった問題発生の可能性を最小化できる。

9. ギアを下げる。君たちがみんなゴロツキで、ライディングに関しては精神的にも社会的にも肉体的にも誰よりも勝ちたいと切実に思っていることは良く良く承知してるんだが、しかし機能性から言えば、ワンスピードのオフロード用ドライブトレーンでは低いギアの方がいいんだぜ。もし君が「速く走るぞクラブ」のメンバーだったら、大きなギアを使うべきで、君のような HRM タイプはこの部分を読み飛ばしてくれていい。でももし君がタイトな自転車を乗りこなしてきちんと整備できる能力にもっと関心があるなら、自分のスタイルを好みに合わせて、低いギアを使ってドライブトレーンへの不必要な酷使をさけることができる。確かに平地ではもっと「スピン」させなきゃいけなくて、それでドライブトレーンの部品はより回転してより摩耗するんだけど、でも上り坂でヘルニアにならなくて済むし、ショックやゆがみ、壊滅的な歯飛びの可能性、ドライブトレーンの部品の破損を減らすことができる。君に言えないあることにも好影響がある。

10. チェーンに油さそうよ。お願いだから。

11.フリーホイールを潤滑する。内側にはベアリングと稼働パーツがある。グリースではなくオイルを使う。お願いだから。

12. 他の問題としては、まぁ、ヒューマンエラーがある。君のワンスピードや Singleator やそれを作った奴をののしる前に、上のガイドラインを読んでよく理解しておいてくれ。腕の立つプロの整備士は、ドライブトレーンに特別な問題が起こってもその診断ができるんだけど、君で一人でやったら、上のどのケースが当てはまるのか判断するのはとても難しいだろうと思う。今まで書いてることをよく理解し全部試してみようとしても、なかなか全部消化しきれないだろうから、ビールでも飲んでもう一回読んでみてくれ。でなきゃ地元のショップに寄って少しばかりお金を払うことだ。俺たちに電話してくれてもいいよ。苦労するかもしれないけど、手伝う気はある。でなきゃこんなこと書かないよ。さもなきゃ諦めて、ギヤ付き自転車に乗るという手もある。それは「全然悪くない」。

愛を込めて, Wakie