やあ、みんなマウンテンバイクを楽しんでるかな。 言うまでもないが、マウンテンバイクに正しい乗り方なんてない。 朽ちた丸太の上をバニーホップで飛び越えたり岩の上を走り回ることも、地下のジムで Zwift 仲間とレースすることだってできる。 両方やればいい。 ただ、新しいトレッドパターンを試してみたい、もっと腕を磨きたい。知らない土地を探索したいなんて思っているなら、それに合ったタイヤと幅を選ぶことが大事なんだ。そうすれば #FridayFail で曝されることもない。 ここでは、マウンテンバイクのタイヤの幅について参考になる話をしようと思ってる。飲み物の用意ができたら始めようか。
マウンテンバイクの選択肢
「マウンテンバイクのタイヤの幅はどのくらいがいいのか」っていう質問に答えるには、使ってるホイールのサイズを確認しないとな。
• 26 インチホイール: 最初のマウンテンバイクはビーチクルーザーを改造した 26 インチホイールの自転車だったんだ。 最近の MTB ではこのサイズはほとんど使われなくなったけど、小柄なライダーにはいい選択肢だと思う。 あと、26 インチホイールは強度や反応、操作性が高いので、キッズが youtube でやってるような BMX のトリックにも最適なんだ。
• 29インチがきてる。 小さいホイールより重くスピードも出しにくいけれど、アプローチアングル低く、運動量も多く、快適だ。 トレイルのデコボコや障害物もスムーズに乗り越えることができる。 強度が高まり軽量化も進んでいる 29 インチホイールは、ほとんどの MTB ライダーが満足できる選択肢になっている。
• 27.5 インチホイール 、ちょうど中間サイズで 650b とも呼ばれる。 29インチより加速が早く軽く、26インチホイールのように丈夫で耐久性がある。 29インチでは大きすぎるけれど、26インチでは得られない滑らかな乗り心地を求めている人は、この楽しい中間サイズはどうだろう。
必要な RAD レベル
ホイールサイズの確認ができたら、A) どんな乗り方をしたいか、2) どんな路面を走りたいかを考えよう。
- クロスカントリーライダーは、29 x 2–2.4 インチを選ぶことが多い。 このサイズなら、スピードを上げるときも下げるときも、重くなりすぎることなく操作性とグリップを得ることができる。
- トレイルlというカテゴリーは幅広くて、マウンテンバイクの中でも一番一般的なものだ。 Surly の MTB は、登りが多く下りはテクニカルな変化に富む荒れた地形のトレイルにぴったりなんだ。 トレイルライダーは 29 インチのホイールに移行しつつあるけれど、27.5 インチだってまだまだ使われいるし、幅も 2.3~2.6 インチまで用意されている。 オフロードの衝撃を吸収したり隠れた才能を発揮するにはこれでも十分なんだが、もう少し太い 3 インチにしたいところだ。 接地面積が大きいということは、滑りやすい路面で圧力を下げられる上に、一般的に太いタイヤは体の大きいライダーやバイクパッキングの重い荷物でも快適に走ることができるんだ。 もう一つ。3 インチのタイヤに内臓されたニューマチックサスペンションは、フルリジットバイクのライダーに大きなメリットをもたらすことも覚えておいてほしい。
- オールマウンテン: トレイルライドと重なる部分も多いんだが、Surly の MTB は下り坂が中心になるオールマウンテンでも楽しむことができる。 快適で効率のいい登りはもちろんのこと、荒れた急な下りに対応するために多くのライダーは、2.25~2.4インチ幅の狭くて速いタイヤを選ぼうとする。 でも、2.6~3 インチのタイヤを装着できるリグなら、「トレイル」で説明した理由で太めのタイヤがきっと気にいるはずだ。
- エンデューロシーンでは、29 x 2.3–2.5 インチが使われる。 エンデューロレースでは耐久性と登り坂に対応するために転がり性能が重視される。
- ダウンヒル用のタイヤには頑丈なケーシングが必要で、幅もワールドカップなら 29 x 2.3–2.4 インチと最も細い範囲に設定されている。 スリルを求める人なら快適さ重視でワイドなものを選ぶかもしれないが、タイヤの重量を減らすとスピードがでている時にもコントロールしやすくなる。 より高いパフォーマンスを求めるなら、フロントに 29 インチ、リアに軽量で扱いやすい 27.5 インチのホイールを使う「マレット」アプローチでビジネスライクに攻めるという手もある。
- バイクパッキングなら、好みに合わせて融通がきく。 転がり効率や長距離走行を考えれば、29 インチホイール。 もっと軽快に走りたいなら 27.5 インチがいいかもしれない。 タイヤの幅は 2 インチもあれば荒れた路面でもスムーズに走ることができるし、それ以上の幅があればリジッドリグでも高いクッション性を得ることができる。
砂利、砂、シルト、粘土
色んな角度からマウンテンバイクを紹介してきたが、実際の走りに目を向けてみよう。 どんな場所で走ってる? タイヤエンジニアのチャーリー・デニスはこう言ってる。「砂や泥、粘土などを積んだダンプトラックの上を走ると思ってくれ。 それが何だとか、粒の大きさとかは関係ないんだ」 粒が一番大きいのは砂利、次が砂、泥、そして粘土だ。 しかも、それが混ざっていたり区別がつきにくかったりすると、タイヤ選びもさらに難しくなる。
XC や MTB で多い砂や泥、ダートのトレイルでは、転がり効率優先の滑らかなタイヤは、特に食いつきが必要なコーナーで十分なトラクションを得ることができない
砂利の場合も選択の余地はない。 チャーリーに言わせると「沈まずに上っ面を削るか、分厚い肉厚のノブを砂利に食いつかせて後ろに押してやる。 大きなノブのグリップ力は強いが、転がり効率とトラクションのバランスをとるのが難しいんだ」
こうしたことも考えてマウンテンバイクのトレッド技術が生まれている。
かっ飛ばせ
「ノブのないタイヤはスムーズさ」とチャーリーは言う。 「でもノブがたくさんあるタイヤだってスムーズなんだ」 その間にも、いろんな形や大きさのノブ(ラグ)がいろんなパターンで配置されて役立っている。
- 推進力
- 制動力
- 消化力 - 冗談だ。 ちゃんと読んでるか試してみた。
- 路面の障害物を押しのける
- 高いグリップ力
「タイヤと自転車が望んだ方向に進んでいるとしよう。 スピードを上げたり下げたりするには、進行方向に対して垂直方向の力が必要なんだ。 真っすぐで垂直な面のあるノブは前に進むことに役にたつ。 (ただし)平らなコーナーでタイヤを横に倒すと、垂直な面も横に倒れるから推進力も落ちる。 ノブは役にたたず、ただ滑るだけってこと」
この熱い企画に力を貸してくれた Surly のタイヤプロダクトマネージャー、ゼーン・ブッシーの話はこうだ。 「タイヤの中央、センタートレッドにある長短のノブが推進力と制動力を生むんだ。 タイヤの側面に向かって少しずつ高く長くなるノブが、コーナリング時のコントロール性能を高める。 その間にある向きが異なるノブもそれを助けているんだ」
その他のトレッド機能を見ていこう。 サイプは、ゴムが路面の凸凹に合わせて動くことでグリップを高めるためにノブの表面に刻まれた浅い溝だ。 センターノブには、止まったり走りだす時に役立つように進行方向に対して垂直方向のサイプがある。 サイドのノブの平行に刻まれたサイプは方向を変える時に役立つ。
ノブの性能を高めるもう一つの機能が傾斜だ。 ノブの片側に傾斜をつけると転がり効率が高まる。 反対側に大きく垂直の(傾斜がない)エッジを残しておけばブレーキ性能への影響はない。 両方のいいとこどりってことだ。
さてと、いくつかタイヤを見ていこう。
SURLY KNARD & DIRT WIZARD
Knard はトラクションを犠牲にすることなくスピードを求める高速回転タイヤだ。 スクエアなトレッドパターンで表面を埋めたタイヤは、推進力、ブレーキ、コーナリングのバランスが取れている。 グラベルや一般的なトレイルのような固い路面用(緩い泥のトレイルじゃないってこと)に設計されたタイヤは、サイプもランプもいらないほどの安定性がある。 幅は 41mm (3インチ)、直径は複数用意されている。
Dirt Wizard は、クソみたいな路面の走りを魔法のようにハッピーな時間に変えてくれる。 アグレッシブな中央 2 列の面取りされたノブは、路面の泥をつかみブレーキング性能を向上させる。 サイドの大きなノブはコーナリング時の横すべりを防ぐ。 ソフトなゴムを採用しているから、地面にフィットしたタイヤは、密着したまま転がるように進む。 トレッドに組み込まれたメカニカルアドバンテージがライン取りでもコーナリングでも、どんなオフロードの路面でもトラクションとコントロールを実現する。 幅は 2.6 インチ、2.8 インチ、 3.0 インチ、直径は 26 インチ、27.5 インチ、29 インチが用意されている。
で、幅はどうしたらいい?
「マウンテンバイクにもっと幅広のタイヤをつけよう」って思ってるかもしれないが、それは「場合による」んだ。 設計通りの性能を発揮するためにはタイヤに合ったリムを使う必要がある。
- タイヤに対してリムの幅が広すぎると、サイドラグが地面を掴めなくなる。 スピードが落ちて、ステアリングやターンの挙動も予測不能になる。 一般的に、乗り心地まで荒くなる。
- 逆に、リムの幅が狭すぎるとサイドラグが地面から離れカーブを曲がる時のトラクション性能が低下してしまう。 この場合、サイドウォールに余分な圧力がかかり捻じれや潰れが生じることが多い。 そうなると滑っている感じがするんだが、それが楽しいかというと疑問だ。
- 俺たちの仲間のチャーリーは、マウンテンバイクのスイートスポットは、「リムの幅はタイヤの幅の50~60%」だって言ってる。 これを計算するために、リム内部のビードの幅を確かめてくれ。 単位はミリメートルで、メーカーのウェブサイトを探せば書かれているはずだ。 その数字を 0.5 で割り、次に 0.6 で割るとタイヤの幅がわかる。
- 計算のしかた: リムの内寸が 40mm だとしよう。 これを 0.5 で割ると 80mm になる。 40mm を 0.6 で割ると 66.666mm だ。 つまり、幅が 67mm から 80mm のごついタイヤを買えばいいってことさ。 mm なんてわからないっていうなら、まぁ、だいたい 2.6~3.1” だね。
リムとタイヤの最適な組み合わせを確認したら、自転車のフレームに収まるタイヤサイズを知る必要がある。 必要な情報は、SurlyBikes.com みたいなメーカーのウェブサイトを見てくれ。 Karate Monkey の場合だったら、タイヤクリアランスは 29 x 2.5 インチか 27.5 x 3 インチだ。 タイヤがフレームやフレームに付けたものに擦れないように、両側に6mm のスペースを確保してる。 これで、必要だったらフェンダーをつけることもできるし、トレイルの泥やゴミが詰まることもない。 他のブランドのタイヤクリアランスは違うかもしれないが、他のブランドってのは Surly じゃないからな。
もっとでかいのにしたい
自転車のフレームが対応しているなら、プラスタイヤの大きな接地面積はトラクションと信頼性を高めてくれる。 一般的な MTB タイヤとファットタイヤの中間にあたる 2.6 インチのタイヤを最高のプラスタイヤだって言う人もいる。 Surly では 3 インチ以上の幅があるタイヤしか「プラス」と呼ばない。 プラスと言うからには、それだけのことがないとな。 たいていは、40~50mm のリムと組み合わせで 26 インチ、27.5 インチ、29 インチのホイールサイズに対応してる。
もう一歩進んで、3.5 インチを超えてくるとファットタイヤの領域だ。 冬のライディングのために設計されたタイヤのボリューム、設置面積、トレッドパターンはスノーシューのように機能する。 空気圧を下げると、まるで何十人もの小さいけど力のある妖精に運ばれて、まるで地面に浮いているような感覚を味わえる。 冬以外の季節のライドでもファットタイヤにも多くのメリットがある。 泥や岩、木の根、濡れた砂の上でもどこでも進めることに驚くはずだ。 Surly のファットタイヤを紹介しよう。
Nate は、サイプのあるノブ、ショルダーノブを備え滑る路面での高い走破性を発揮する 26 x 3.8 インチのタイヤだ。 Nate のトレッドパターンは Dirt Wizard に似ているけれど、幅は 2 倍もある。
Edna は、緩んだダートや雪、砂、固い路面でも新しい楽しみが見つけることができる 26 x 4.3 インチのスーパースタータイヤだ。
Bud は、泥や雪など悪条件に対応するサイプのある高いノブを備え、確実なステアリングとブレーキ操作を可能にするフロント専用の 26 x 4.8 インチタイヤだ。
Lou は、リア専用の Bud の仲間だ。 26 x 4.8 インチの Lou のトレッドパターンは、ステアリングよりも推進力とブレーキ性能を重視してデザインされている。
冬のライディングに関しては、スタッドタイヤ抜きには語れない。 氷の上でのグリップなら金属以上のものはないんだ。 ファットバイクのタイヤにスタッドをつければ、凍ったり溶けたりする路面の状態に悩むことなく、お気に入りのトレイルを楽しむことができる。
ファットタイヤも履ける
この 20 年ほどの間に Surly の自転車に乗ったり見たりしたことがあるなら、チェーンステイに貼られた Fatties Fit Fine のステッカーを見たことがあるだろう。 この言葉は、Surly の自転車フレームが太いタイヤに合わせて作られていることを意味している。 肉厚のタイヤがどれほどマウンテンバイクを楽しくしてくれるか、 Surly の youtube ページ で見てほしい。
聞かれてないが、最後のヒント
レミー・キルミスターのリフと違ってタイヤっていうのは時間と共に衰えていく。 空気漏れ。 シーラントの劣化。 タイヤの空気が抜けていることに気づいて、新しいチューブやシーラントを注入しても直らないならタイヤの交換を考えた方がいいかもしれない。 タイヤの寿命はサイプが残っているかどうかでもわかる。 ノブのサイプが見えなくなってるって? おめでとう! 新しいタイヤを買ってくれ。 楽しめることを願ってる。
今回はここまでにしておこう。
-Surly